「ふれあい体操」の実施で、重症児たちの笑顔がこぼれます。

 「ふれあい体操」は、特別支援学校での実践から派生した体操方法です。この体操は、家庭やさまざまな施設で子どもたちと対話しながら歌を歌ったり触れ合ったりすることに焦点を当てており、脳への刺激を提供します。

 「ふれあい体操」を実施することで、子どもたちの緊張や筋肉の硬直がゆるんでいき、呼吸が楽になり、笑顔が現れることがあります。さらに痰が排出しやすくなったり、食事が楽に摂れるようになることがあります。

 また、普段あまり物をつかんだりもったりする機会の少ない子どもたちや、歩行時に足の裏をあまり使わない子どもたちのために、「ふれ足体操」と「ふれっ手体操」もあります。これらの体操では、手の指や手のひら、足の指や足の裏を刺激し、感覚を養うことを目指しています。

 身体のさまざまな部位に触れることを通じて、子どもたちは徐々に自身の身体の一部を意識し、感覚を発展させていき、新しい世界を発見していくことができます。

「ふれあい体操」の実施で、重症児たちの笑顔がこぼれます。

Important 3Points

1. こころにふれあう

「いっぱい愛してるよ」というメッセージを伝えます。
「母 や かかわる方の 思いを伝えます」
子どものこころに寄り添い、一体感に包まれた中で、共感的にこころを受けとめます。
「子どもの思いを丸ごと受けとめます」

こころにふれあう

2.やりとり=コミュニケーション

こちらが、 一方的にやってあげるものではないのです!
「リラックスさせよう」とか「緊張をゆるめよう」とか 「血行をよくしよう」とか思わなくていいのです。
教えてもらうつもりでふれてみましょう!「息づかい かたさややわらかさ、 あたたかさやつめたさ、気持ちの動き・・」やさしく歌いかけつつ、包み込むようにふれながら期待して待つ!「わずかな息づかいの変化、表情や動きの変化、体のこわばらせ方の変化・・ それらはすべて子どもの心の言葉、表現です」

「ふれあい体操」の実施で、重症児たちの笑顔がこぼれます。

3. 身体を動かす体操ではなく

頭の体操(実体と認識)
・・あるけど、・・ない!わからない体を動かせるでしょうか?
偏って認識している体は、偏ってしか動かせないのではないでしょうか
あいまいな体は、あいまいにしか動かせないのではないでしょうか
自分が分かり、まわりがわかり、世界が分かり、 社会性と主体性が育つ土台になる

「ふれあい体操」の実施で、重症児たちの笑顔がこぼれます。

本体操を行う際に留意していただきたいこと

  • 01

    「ふれあい体操」は、ふれていく人がどのようなイメージを抱いて、
    どのように ふれていくかによって、その効果が大きく異なります。
    子どもが「心地よい」と感じ、はっきり身体の部位の感覚を味わうことができ、安心できるようなふれ方ができる様にして頂きたいです。

  • 02

    子どもの身になって、子どもがどう感じているかを推察しながら、問いかけながら行い、決して一方的なふれあいと歌いかけに陥らないよう、楽しくふれあい、気楽に続けていくことが最も大切です。

  • 03

    毎日実践し、こどもたちの反応を確かめながら行い、子どもが泣いたり、嫌がる場合は無理に行わないようにして下さい。

  • 04

    ふれるときは、Y・T・T を心掛けて下さい
     優しく(Y)
     たいせつに(T)
     ていねいに(T)

どのようなこどもが対象?

①「障がいの重い子どもを対象としています。
②障がいの程度により、それぞれの体操の有効性にやや違いがみられます。
③自閉症児や多動の子どもたちにも、とても有効との報告がいくつかあります。